まずは豆知識から

梨は元々、中国、朝鮮や日本の一部の地域に自生していたのが原種でそこから各地へ広がった果物です。

日本では、弥生時代に栽培が始まり、江戸時代にもなると100種を超える品種が栽培されるようになりました。

日本で歌舞伎界のことを「梨園』と呼ぶのは、唐の玄宗皇帝が梨のたくさんある庭で役者に芝居を教えたという故事からきているそうです。

梨の栄養・効能

〇『疲労回復』にいいと言われるアスパラギン酸が多く含まれている(利尿効果もあり)

〇『便秘改善』にいいと言われる食物繊維も多く含まれています。

〇梨に含まれるカリウムは『高血圧予防』に良いとされています。

〇そのほか梨の効能として、『動脈硬化予防』『心筋梗塞予防』『脳梗塞予防』等があります。

〇サポニンという成分は、『喉の炎症』『咳き止め』に有効です。

〇プロテアーゼという成分は、たんぱく質の分解をする働きがあり、お肉を食べた後、デザートに食べると肉の消化を促してくれてよい。

≪注意≫ 体を冷やす作用があるため、冷え性の方。産後の方のような体を冷やさないほうがよいとされている方は食べすぎには注意しましょう!

選び方

・全体的にふっくらとしていて、皮に色むらがない。

・果皮にハリがある

・ずっしりとした重みがある

・全体的に硬さがある。

保存方法

◎冷やしすぎると、甘みが減るので、食べる1~2時間前に冷やすのがベスト!

〇すぐに食べれない場合は、新聞紙などにくるんでジップロック等に入れ野菜室に。

  鮮度がよければ、2~3週間ほど持ちます

  ※品種によって日持ちが変わるので、確認要!

品種別特徴(収穫順)

幸水

日本梨の約40%を占める代表的な品種で、「豊水」「新水」「幸水」で ‘’三水‘’ と呼ばれています。

「菊水」と「早生幸蔵」の交配で、大きさは250g~300gほど。

〇収穫時期は、8月初旬から8月末まで

糖度は12~13%で、甘さの中に程よい酸味があるのが特徴で、長年皆様に愛された人気の品種となっています。

※幸水は、夏の暑い時期に収穫する品種で、日持ちはあまりよくありませんので、なるべく早めに食していただくのがよいかと思います。

豊水

「幸水」に次いで、生産量が多い品種。

親の組合せは「幸水」×「イ―33(石井早生×二十世紀)」

大きさは350g~400gで、幸水よりも少し大きめの品種です。

梨特有のシャリシャリ食感で、甘みが強く優しい酸味となっています。

〇収穫時期は、9月初旬から9月末まで

新高

「幸水」「豊水」に次いで、生産量の多い品種。

親の組合せは、新潟の梨である「天の川」×「長十郎」  ※命名当時は、「天の川」と高知の梨「今村秋」と思われていたので、新潟×高知で「新高」となった。

大きさは、600~900gと大きい品種となっています。 ※1㎏にもなることもあります。

甘みがあり酸味は少なめで、みずみずしく上品な風味を持った梨です。

〇収穫時期は、9月中旬から10月中旬まで。

あきづき

「新高」×「豊水」×「幸水」の交雑種。

名前の由来は、秋に収穫され、満月のようにまん丸の形をしていることから。

近年各地で生産量が増えている品種となります。

果実は、500g~700gで大きめで、果肉は柔らかめで緻密。

酸味が少なく、甘みがしっかりしています。

〇収穫時期は、9月中旬から10月中旬まで。

陽水

地元愛知県で育成された晩生の大玉の赤梨。

親は、「新高」×「幸水」

果実の大きさは、700g~900gで大きめで、果肉は少し硬めで、シャリシャリ食感。

まろやかな甘みでほんのりと酸味が広がります。

糖度は15%ほどで、日持ちは良いほうです。

〇収穫時期は、9月下旬から10月上旬まで。

愛宕(あたご)

日本一大きい梨。

親は、「二十世紀梨」×「今村秋」とされている。

その大きさは平均で約1㎏!大きいものだと2㎏にもなるものもあるようです。

程よい甘みがあり、シャキッとした食感。果汁が多く柔らかい酸味が特徴。

貯蔵性が非常によく、お正月に食べられる梨として定番。ですが、やはり長く置くことで食味は落ちていきますので、なるべくお早めに食していただくことをお勧めいたします。

食べごろは、酸味が抜けることで、独特の甘い香りがしてきたころです。

〇収穫時期は、11月下旬ごろから